伊達政宗が初代藩主を務めた仙台周辺には、現在でも伊達政宗ゆかりの地が多数存在します。
ここでは、伊達政宗が別荘地として静養し、現在でも人気のあるスポットをご紹介します。
蔵王山麓「青根温泉」
青根温泉は、宮城県柴田郡にあり、東北新幹線・白石蔵王駅から車で約1時間、標高500mの高原にある温泉郷です。
1528年の開湯で、古くから伊達藩主専用の湯治場となっていました。
温泉の由来は、アオヌキの木の下よりお湯が湧き出ていたことから「青根」の名がつけられたとされており「青根御殿」の名で知られています。
仙台藩初代藩主・伊達政宗はこの地を別荘のようにたびたび訪れ、静養したと伝えられています。
この温泉郷の東北は展望が開けており、太平洋や金華山までも遠望できることも、伊達政宗がこの地を愛した一つの理由ともされています。
青根温泉湯元・不忘閣は、約470年前にこの地に滞在しここの湯を気に入ったことから、この喜びと感動を忘れないように「不忘」と名付けたことが由来となっています。
伊達家藩主御用達となった「御殿湯」「青根御殿」はこの不忘閣にあり、現在でも人気の温泉宿となっています。
仙台市「秋保温泉」
宮城県仙台市にある秋保温泉の歴史は古く、約1500年前に第29代欽明天皇の病を癒したことから「御湯」の称号を賜りました。
ちなみに、天皇から賜った「御湯」の称号は日本で3つしかありません。
秋保温泉にある「伝承千年の宿・佐勘」の当主は、平安時代から温泉の管理役を任されていた「佐藤家」です。
その佐藤家が江戸初期に始めた旅館が「佐勘」で、代々伊達家の湯守を務め、江戸時代当初は伊達政宗の湯あみ御殿として栄えました。
秋保温泉付近には紅葉スポットが多く、秋には紅葉と名湯を楽しむ観光客でにぎわいを見せています。
また、「佐勘」には貴重な史料や、伊達家ゆかりの品々が展示されています。
白石市「鎌先温泉」
鎌先温泉は、古くから傷に効くとして人々に親しまれてきた奥羽の名湯として有名です。
鎌先の薬湯の湯は、傷や火傷に効くとされることから、伊達政宗や片倉小十郎もよくここを訪れて傷を癒したとの記録が残っています。
傷によく効くとされる湯の泉質は含芒硝食塩水で、鉄分を多く含む茶色の濁り湯で、美肌効果もあり湯冷めもしにくいとされています。
鎌先温泉付近には観光資源も多く、白石蔵王観光の拠点として外国人観光客も多く訪れています。
奥羽の薬湯として600年以上も親しまれてきた鎌先温泉の温泉神社には、湯治で治った人々が置いて行った杖などがたくさん奉納されています。